宮崎県民の皆さんは九州の醤油、特に宮崎県・鹿児島県の醤油が特に甘く作られていることを知っていますか?
県外に出て初めて九州の醤油が甘いということに気づいたという方、意外と多いのではないでしょうか。
今回は僕が県外に出て初めて知った九州醤油エピソードと、宮崎県・鹿児島県の醤油の甘さや発祥ついて紹介していこうと思います。
この記事で分かること
- みやネコ県外での九州醤油エピソード
- 宮崎県・鹿児島県の醤油がなぜ甘くなったのか?
- 県外の人にも九州醤油は受け入れられているのか?
県外で気づいた宮崎県の醤油の甘さ
僕は高校を卒業後、関西の方で就職しました。
あの頃は慣れない地下鉄や電車、宮崎とは比べ物にならないお店の多さに戸惑いながらもワクワクしながら生活していました。
入社して最初の週の金曜日に
そこで一番最初に出てきたマグロのお刺身。
いつも通り、醤油・わさびをつけて食べるのですがなんか違う・・・
醤油に甘味が足りない?
不思議そうに食べている僕を見て鹿児島県出身の同期が一言。
と言うと四国や関西出身の同期からは
と言われました。
ここで気づいたのです。
もしかして、宮崎県の醤油って特殊だったりする?
と。
そう、宮崎県の醤油は全国で一般的に使われている醤油に比べるとかなり甘いのです。
そして鹿児島県も宮崎県と同様に醤油が甘いのです。
宮崎県民の『昔から自分が当たり前だと思っていたのが実はそうでなかったランキング』があれば間違いなく上位に入ってくるのではないでしょうか?
なぜ宮崎県・鹿児島県の醤油は甘い?
調べましたが所説アリといったところで、「これだ!」っていう明確な理由は無さそうです。
ということでいくつか所説を紹介していきます。
醤油が甘い所説
- 気温が高いから
- 新鮮な刺身と相性が良い
- 砂糖が入手しやすかったから
- 焼酎に甘口の料理が合うから
それでは一つずつ紹介していきます。
気温が高いから
宮崎県・鹿児島県は気温が高いです。
暑いと何となく、甘くてさっぱりしたものが欲しくなりませんか?
スイカやパイナップルなどの果物、アイスであったり。
気分的なものもあると思いますが、暑い時の糖分は熱中症予防の観点からも優れています。
糖分を摂取することで得られる効果がこちらです。
- 水分の吸収速度UP
- 身体の水分保持
- 身体の冷却
- エネルギーの補給
水分の吸収速度UP
水だけで水分を補給するより、糖分が含まれている方が吸収が早いです。
スポーツドリンクが分かりやすい例ですね。
身体の水分保持
糖分は体内で水分と結合しやすく、水分を保持する働きがあります。
身体の冷却
糖分には体温を下げる働きがあります。
これには血糖値が関係しているようで、一般的に糖分を摂ると血糖値が上がります。
しかし人の身体には血糖値を一定にする働きがあり、上がった血糖値を下げようとする働きがあります。
この血糖値を下げる際に体温も同時に下がります。
『冷え性の方が甘いものを控えた方が良い』というのはこのためです。
エネルギーの補給
暑いと普段より多くのエネルギーを消費します。
糖分を摂ることで同時にエネルギーも補給することになり、暑い環境でしっかり体を動かすために効果的です。
このように気温が高い地域では暑さを凌ぐために自然と甘いものが好まれ、醤油も甘くなったという説です。
暑くなったら甘いものが美味しく感じるという人もいますが、意外と理にかなっているんですね。
新鮮なお刺身との相性
宮崎県は海面漁業もさかんで生産量・生産額は全国上位となっており、宮崎県民は新鮮な魚を好みます。
新鮮なお刺身は歯ごたえが良く美味しいですが醤油をはじきやすいんです。
そこで『甘くてとろみのある醤油をべったりつけて食べていた』という説です。
好みなんじゃないか?とも思いますが、僕自身が小さい頃から宮崎の甘い醤油をべったりつけて食べていたんです。
鹿児島県でも食べられている鶏刺しも甘い醤油がよく合いますね。
そう考えると僕たちが『普段食べる料理との相性から宮崎県・鹿児島県では甘い醤油が主流となった』という説もあると思われます。
砂糖が入手しやすかった
日本が鎖国していた時代、長崎県の出島で貿易は行われていました。
出島から砂糖が輸入され、その後国産化が進められたことから比較的入手しやすかったのではないか?という説です。
ちょっと宮崎県・鹿児島県から長崎は少し遠いとは思いますが同じ九州ですし、他県と比較すると入手はしやすいかもしれませんね。
焼酎に甘口の料理が合うから
宮崎県にはあの霧島酒造の本社があり、鹿児島県共に焼酎文化が根強い県です。
焼酎には糖分が含まれていないため甘口の料理との相性が良いです。
そのためより甘い料理を・・・の流れで醤油も甘くなったという説です。
以上4つの理由で『宮崎県・鹿児島県の醤油は甘くなった』という所説でした。
まとめてみると確かにそうかもという内容で、個人的には納得できました。
もし他に説があれば追記していきますね。
他県から見た宮崎県・鹿児島県の甘い醤油の感想は?
宮崎県・鹿児島県の醤油の甘さを調べていると、とあるホームページの醤油製造者さんのお話で
「しょっぱさでクレームがきたことはあるが、甘すぎてクレームがきたことは一度も無い」
とのコメントを見かけました。
そりゃ甘い醤油を求めて買いに行ってる人から甘すぎてクレームがくることはほぼ無いでしょ。
では他県・他の地方の方から見た宮崎県・鹿児島県の甘い醤油はどのように思っているのでしょうか?
僕が接してきた県外の人達の反応を見ると
- 食事中の甘い食べ物が大丈夫な人は合う
- 合わない人はとことん合わない!
というのが正直な感想です。
僕は以前関西で働いていた時に会社の同期と一緒に九州の醤油で鶏刺しを食べたことがあったんですよね。
その時一緒に食べていた関西出身の同期は
と好評でした(余談ですが数日後、僕とその同期は鶏刺しで食中毒になりました。。その時のエピソードはこちら↓)
【注意喚起】鶏刺しの食中毒・安全なお店選び・食べ方について徹底解説
みんな美味しいと言ってくれたので、九州の醤油はやっぱり美味しいんだ!って思っていたのですが・・・
それからしばらくして僕は宮崎県に戻り、現在は飲食店をやってます。
うちでは宮崎の醤油は一切使っていないのですが、たまに県外から移住されてきたお客さんから
と何度かお褒めの言葉をいただいたことがあります。
ご飯の時に甘すぎるもの・ご飯と一緒に食べる物だけどデザートのように甘い・甘ったるいものが苦手な人は合わないかもしれません。
苦手な方はとことん苦手といった感じで、少し苦手だけど食べれるとかそんなレベルじゃないです。
お寿司なら九州の醤油かけないで食べた方がマシという方も。。
九州の醤油が苦手な方に話を聞くと
- 甘い卵焼きが苦手
- 酢豚のパイナップルが苦手
もし上の二つが苦手という方は注意ですね。
宮崎県では甘い醤油が普通、むしろ甘いという認識がない方も多いです。
お寿司屋さん・居酒屋さんで「普通の醤油ください」と言うと甘い醤油が出てくることもしばしば。
この話を聞いてお口に合わないかもと思った方はマイ醤油を持参しておいた方がいいかも。
まとめ
まとめです。
宮崎県・鹿児島県の醤油が特に甘い理由
- 気温が高いから
- 新鮮な刺身と相性が良い
- 砂糖が入手しやすかったから
- 焼酎に甘口の料理が合うから
他県から見た宮崎県・鹿児島県の甘い醤油の感想は?
- 食事中の甘い食べ物が大丈夫な人は合う
- 合わない人はとことん合わない
僕は宮崎県・鹿児島県で使われている甘い醤油は小さな頃から馴染みがあって、まぐろのお刺身に甘い醤油をべったりつけてワサビを少々、大根のツマ、それらをまとめて大葉くるんでパクリと食べるのが大好きなんです。
甘々醤油にほんのりわさびでツマと大葉で後味スッキリ、たまりません。
でも県外に出て自分の地元の醤油が特殊だということに初めて気づきました。
それから主に関西の方を中心に宮崎県の甘口醤油が合うかどうか見てきましたが、お口に合わない方もそこそこいる印象で飲食店をやっている側としては注意しないといけないなと思いました。
皆さんも九州以外の方にお土産や贈り物で九州の甘い醤油をプレゼントしようと考えている方は、その人の好みに合うか確認してからにしましょう。
以上!
ありがとうございました。