皆さんは飲食店のメニューの価格ってどう設定されてるか知っていますか?
人件費や利益を見込んでつけているのはもちろん、心理的な面でも考えられて設定されていることもあるんです。
今回は飲食店のメニュー価格の設定方法について紹介していきたいと思います。
この記事で分かること
- 飲食店のメニュー価格設定
- 全メニューのバランスから見た価格調整方法
- その他の価格調整について
- 価格設定で大事な考え方
メニュー価格設定の基本
飲食店のメニュー価格設定の基本は次の3つです。
価格設定の基本
- 競合店の相場を確認
- 原価率はトータル30%
- 設定した客単価になるよう調整する
この3つはどの飲食店にも共通している設定方法です。
それぞれ説明していきます。
競合店との相場を確認
価格設定をする上でまず大事なのが競合店のメニュー価格調査です。
各カテゴリー別でメニュー価格の幅を確認しましょう。
ラーメン屋さんで例えると
その店舗で標準となるラーメンの価格と、トッピングでどれほど値段が上がるかを確認しておけばOKです。
何店舗か調査するとその地域のラーメンの相場が見えてくるはずです。
最初はこの相場を参考にザッと価格設定し、原価率などのバランスをみて調整するのも良いと思います。
ココに注意
自店に近い規模・コンセプトのお店を参考にしてください。
作る料理が同じでも、コンセプトが違うお店だと参考になりません。
原価率はトータル30%
と勘違いしている方が意外と多いようです。
原価率の目安は、全てのメニューを合計して30%と言われています。
つまり単品の原価が40%でも、他の商品で調整できればOKということです。
ザックリ言うと
- 商品A=原価率40%
- 商品B=原価率20%
※平均は30%なので◎
原価率が高くなってしまう商品は、原価を下げやすい商品などで30%に近づくよう調整しましょう。
設定した客単価になるよう調整する
実際にお客さんが頼むメニューを想定しましょう。
例えば居酒屋さんで客1人あたりで
- スピードメニュー1品
- メインメニュー2品
- ドリンク2杯
を頼んだ時の値段がいくらになるか?
これが設定した客単価になるか確認しましょう。
差異が大きい場合、経営に大きく影響してくるので注意が必要です。
全体のバランスから価格を調整する
全体のバランスを見て調整することも重要です。
相場などから暫定的に価格を設定したら、次の方法で価格を調整してみてください。
ポイント
- 価格は3パターン・値幅は1,000円を目安に
- 価格帯でメニュー数を調整する
全メニューでこれを考慮する必要はないと思いますが、可能な範囲で取り入れていくことをオススメします。
それでは説明していきます。
価格は3パターン・値幅は1,000円を目安に
価格を3パターン・値幅を1,000円にするメリットは
お客さんが予算をイメージしやすく、ストレスを感じにくいことです。
メニューを見たとき、あまりにも価格にバラつきがあると
メニュー選びにいちいち『高い・安い』が入ってきてストレスになるんですよね。
価格を3パターン・値幅を1,000円にしておけば予算をイメージしやすく、メニュー選びも楽になります。
きっちり3パターンは難しいので300円台・600円台・1000円台などとしてもOKです。
この際、中心価格は注文の入りやすいメイン料理で固めましょう。
中心価格とは
メニュー価格帯の中心の値を中心価格といいます。
先ほどの3パターン(300円・600円・1000円)でいうと600円が中心価格となります。
価格帯でメニュー数を調整する
中心価格のメニューを1番多くし、2番目に中心価格より安い価格帯のメニューを多くしましょう。
2番目のメニューのお得感が際立ち、注文数が増えるメリットがあります。
先ほどの3パターン(300円・600円・1000円)を例に説明していきます。
まず中心価格600円のメニュー数を1番多く設定します。
そして2番目に300円のメニュー数を多く設定します。
こうすることで
お客さんは自然と600円のメニューを基準として他商品を比較します。
すると
となり注文数が増えます。
逆に2つのメニューが500円と400円だった場合を考えましょう。
トータルは900円と一緒ですが、価格帯に100円しか差が無いのでお得感はあまり感じられません。
少しの工夫で売上が上がるのであれば、積極的に取り入れていきたいですね。
その他価格調整のポイント
基本の価格設定・全体のバランスからの価格調整をする上で次の3つも参考にしてみてください。
ポイント
- 自信のあるメニューは少し高めに
- サービス・雰囲気を考慮する
- 『9』を意識する
それでは説明していきます。
自信のあるメニューの価格は高めに
自信のあるメニュー価格は高めに設定することをオススメします。
これはお店のブランド力にも影響します。
例えば
『他店よりも自店のメイン料理は間違いなく美味しい!』
と自信を持っているお店があったとします。
ここで
と考えた方は要注意です!
『味や素材にこだわっていて、なおかつ他店より安く』
そんな事情は初見客には分かりません。
と思わせてしまい、来店の機会を減らしてしまうかもしれません。
『安さ』をコンセプトとして売り出していくのであれば低めの価格設定はアリです。
他店と比較して自信のある一品であれば、少し高めの価格にしましょう。
サービス・雰囲気を考慮した価格設定
お店のサービス・雰囲気を考慮した価格設定をしましょう。
ここも重要なポイントです。
例えば、次のような特徴を持つお店があるとします。
- キレイな外観・内装
- 客席にゆとりがある
- 丁寧な接客
若いカップルでの利用も十分考えらるお店だと思います。
『男性が女性に食事をご馳走する』シチュエーションで、安すぎる料理というのも微妙だと思いませんか?
こういう場合は高めの価格設定でもお店のサービス・雰囲気でお客さんに満足してもらいやすいです。
逆に大衆食堂のようなお店だと、お客さんは『安い・早い・美味い』といった部分に期待しています。
そういったお店で高めの価格設定をされると
となり、いくら美味しくても不満が先行してお客さんが満足できない場合も考えられます。
自店のサービス・雰囲気を意識した価格設定をしましょう。
『9』を意識する
これは人の心理を利用した調整方法。
1,000円の商品は990円に設定した方がお得に感じ売れやすいという考えです。
ファミレスでいうとジョイフルがこの方法を取り入れてますね。
グリル | グランドメニュー | ファミリーレストラン ジョイフル [Joyfull]
考え方の1つとしては納得できますが、そこまで積極的に取り入れなくてもいいかなと考えています。
中途半端な値ばかりになってもお客さんにとってはストレスになる方もいると思いますし。
『お客さんの満足度』を忘れないで
価格設定で考えすぎて忘れがちなのが『お客さんの満足度』です。
色んな価格設定・調整方法を挙げてきましたが、お客さんが納得する価格でなければ意味がありません。
お客さんは店の雰囲気・メニュー価格などから
ここなら美味しい料理と良いサービスを受けれそう
などのイメージを持って入店してきます。
それに対し提供されたものがイメージを上回る・もしくはイメージ通りであればお客さんは満足します。
逆にイメージを大きく下回ってしまった場合、もう来てくれないでしょう。
自店で提供しているものが価格に見合っているのか?
それを最後にもう一度確認してみてください。
まとめ
飲食店の基本的な価格設定は
- 競合店の相場を確認
- 原価率はトータル30%
- 設定した客単価になるよう調整する
全体のバランスから価格を調整する方法は
- 価格は3パターン・値幅は1,000円を目安に
- 価格帯でメニュー数を調整する
その他の調整方法として
- 自信のあるメニューは少し高めに
- サービス・雰囲気を考慮する
- 『9』を意識する
そして最後に『お客さんの満足度』を忘れないようにしてください。
僕自身この記事を書くまで、競合店の相場を見て価格を設定しようとしていました。
開業前に色々学べて良かったです。
また何か気づきがあれば更新していきます。
以上!
ありがとうございました。