皆さんは『鶏刺し』をご存知でしょうか?
鹿児島県や宮崎県でよく食べられており、お酒の肴に最高なんです。
しかし僕が住んでいる宮崎県では、毎年のように鶏刺しの食中毒が発生しています。
今回は『鶏刺し』について理解を深めるためにこの記事を書きました。
こんな方におすすめ
- 『鶏刺し』がどんなものか気になる
- 鶏刺しの食中毒について知りたい
- 鶏刺しを安全に食べたい
鶏刺しとは?
『鶏刺し』とは一言で言うと鶏のお刺身です。
スライスした生の鶏肉をニンニクや生姜、柚子胡椒などの薬味を醤油につけて頂きます。
特に九州の甘い醤油とは相性バッチリ!
ごま油と塩の組み合わせで頂くのも美味しいです。
鶏刺しは主に鹿児島県・宮崎県でよく食べられている郷土料理です。
え?鶏肉って生で食べれるの?
と思いますよね。
厳しい衛生基準をクリアしたものについては食べることができるとされています。
しかし僕の住んでいる宮崎県の飲食店でほぼ毎年、鶏刺しの食中毒が発生しています。
宮崎や鹿児島のスーパーでは普通に売られてますし、本当に大丈夫なのか心配になりました。
そこで今回は鶏刺しの食中毒について徹底的に解説していきたいと思います。
鶏刺しの食中毒について
鶏刺しの食中毒で原因となる菌は主にカンピロバクターです。
カンピロバクター腸炎にかかると約5〜7日の潜伏期間後に以下の症状が現れます。
カンピロバクター腸炎の症状
- 吐き気
- 嘔吐
- 下痢
- 腹痛
考えただけすごく辛そうですね。
ただよくある食当たりのちょっとキツイ版と言われるとそんな気もします。
現に致死率は0.1%と意外と低く、自然治癒が十分期待できる疾患なのだそうです。
だからこそ軽く見られがちなのではないでしょうか?
現に免疫力によって発症する人発症しない人もいます。
実は僕も鶏刺しでお腹を壊したことがあるんです。。
鶏刺しで食中毒になった実体験
あれは社会人なりたての頃。
僕は寮に住んでいて同期もたくさん
鹿児島出身の同期がゴールデンウィークに里帰り。
お土産として鶏刺しを買ってきたのでした。

その子部屋に集まり皆んなで鶏刺しを食べながら飲み会をしました。
関西・四国出身の同期が多く『鶏刺し』を知らなかったため、みんな興味津々で食べました。
それから数日後の夜・・・
夜中の3時頃、急にお腹が痛くて目が覚めトイレへGo!
そこからは自分の部屋とトイレを往復することなんと4時間!
あまりにもお腹が痛いのと寝不足で会社を休むことに。
何を食べても飲んでもすぐお腹が痛くなり下痢してもうしんどい。。
そしてその日の昼間、寮の食堂に水を飲みに行くと平日でみんなが仕事に行っていて誰もいないはずなのに、そこには鶏刺しを一緒に食べた同期がいました。



仲間が増えたみたいで嬉しかったですが、これはおそらく鶏刺しが原因だろうとなりました。
ちなみに鶏刺しを食べたメンバーが確か5~6人だったんですが、お腹を壊したのは僕とその同期の2人だけでした。
体の大きさやその時のコンディションによって免疫力は違うので、発症する・しない人は分かれるみたいですね。
10年以上前の話で記憶が少し曖昧でしたが、僕も同期の子も3日ほどで回復したような気がします。
ただ、今まで生きてきた中での腹痛ランキングでも堂々1位のキツさだったことはよく覚えています。
鶏肉の生食についての法律は?
ほぼ毎年のように鶏刺しの食中毒が発生しているのですが、法律はどうなっているのでしょうか?
結論から言うと、鶏の生肉の提供を規制する法律はありません。
それと同時に『鶏の生食は危険ですので食べないでください』というのが全国的な保健所の対応です。
しかし鹿児島県と宮崎県は鶏の生食文化を守るため、独自で生食用食鳥肉の衛生基準を設けています。
鹿児島県/生食用食鳥肉等の安全確保について (pref.kagoshima.jp)
Taro-資料6(1) 宮崎県(成分 (mhlw.go.jp)
ざっくり要約すると
- まな板、包丁は専用の物を使う
- 器具の熱湯消毒
- 急速冷却
- 低温維持
- まな板・包丁の頻繁な交換
- 細菌検査
他にも『外剥ぎ』という方法で鶏肉を解体することで、食中毒のリスクを低減させているとのこと。
『外剥ぎ』とは
外剥ぎとは、鶏の内臓を傷つけず解体する手法。
食中毒の原因となるカンピロバクターなどの菌は内臓に多く含まれており、解体時に内蔵を傷つけてしまうと食中毒菌が他の食肉に付着してしまう。
内臓に傷をつけずに解体していくため、食中毒のリスクを低減することができる。
機械ではなく手作業のため、手間がかかる。
衛生基準の方もざっと見たのですが、手間もかかりそうですしかなり厳しく管理されているというのが伝わってきます。
それでも僕が住んでいる宮崎県でも毎年のように鶏刺しの食中毒が発生しています。
それでもなぜ鶏刺しの食中毒は起こってしまうのでしょうか?
なぜ鶏刺しの食中毒は起こる?
鹿児島県・宮崎県では厳しい衛生基準が設けられているのにも関わらず、鶏刺しの食中毒は発生しています。
なぜ起こっているのか?
次の2点が主な原因だと考えます。
- 菌を完全に除去するのは難しい
- 提供する側の知識不足
菌を完全に除去するのは難しい
鹿児島県・宮崎県の生食用食鳥肉の衛生基準で食中毒のリスクはかなり低減されています。
しかしながら菌を完全に除去することは難しく、わずかではあっても食中毒菌が残ってしまうこともあります。
そうなると免疫力の弱い人(子供・高齢者・体調が悪い方など)は食中毒を発症してしまうリスクが高まります。
提供する側の知識不足
飲食店などの提供する側が実は「鶏刺しの食中毒に関してあまり知らなかった・認識が間違っていた」というのもよくある話です。
全国的に見ると宮崎県・鹿児島県の独自の衛生基準をクリアした生食用食鳥肉ではなく、加熱用の鶏肉を鶏刺しにして食中毒が発生していることもあるようです。
他にもよく見受けられる認識違いが以下になります。
- 鶏刺しは皮目を炙れば安全
- 新鮮な鶏刺しは安全
「鶏刺しは皮目を炙れば安全」は不十分
僕が以前鶏刺しで食中毒になった時、鹿児島の同期がこう言っていました。

はい、大丈夫じゃなかったですね。(笑)
先ほど紹介した実体験通り、僕は食中毒になりました。
軽く炙った程度では完全に殺菌することはできません。
皮以外の部分に菌が付着していれば関係ありません。
「新鮮な鶏刺しは安全」は間違い
「新鮮な鳥刺しは安全」というのは間違いなんです。
新鮮な鶏肉ほどカンピロバクターの菌は多く、逆に時間経過で減少するんです。
カンピロバクター属菌は乾燥に弱く、通常の環境下では2~3日で死滅します。
しかしながら、冷蔵下ではかなりの長期間、感染性を失わずに生存します。冷凍下でも1カ月程度は死滅しません。鶏の腸管内は、カンピロバクター属菌が増殖する条件がそろった場所です。(酸素濃度、温度、湿度、栄養分)
腸管内で増殖した菌は便とともに環境中へ排出され、鶏の体表にも付着します。鶏の内臓も、筋肉の表面も、水洗いやあぶった程度では菌を完全に殺菌することは出来ません。
菌は時間の経過により減少していくため、新鮮な鶏肉ほどカンピロバクター属菌が多く付着しています。
引用元:【緊急のお知らせ】鶏肉の生食を原因とするカンピロバクター食中毒について - 宮崎市 (city.miyazaki.miyazaki.jp)
飲食店で店員さんに鶏刺しの安全性について聞いたときに

という回答だと鶏刺しの食中毒については勉強不足なのかもしれません。
食中毒の安全性だけ考慮するなら

の方が信頼できます。
新鮮さをアピールして「美味しいよ」って言いたいのは分かりますが、新鮮だからこそ調理・提供方法を怠るとと食中毒が発生しやすくなるのが鶏刺しです。
提供するにあたって十分注意しなくてはならない料理ですので技術だけでなく食中毒に対してもしっかり取り組んで欲しいですね。
鶏刺しによる食中毒を防ぐには?
次の6つの点に注意すれば、鶏刺しの食中毒はかなり防ぐことができると思います。
注意ポイント
- 安全で信頼できる飲食店で食べる
- 鹿児島県・宮崎県以外で食べるのは控える
- お取り寄せは、安全性について十分確認する
- 提供されたらすぐ食べる
- 子供や妊婦、高齢者の方は食べるのを控える
- 体調が万全でない時は食べない
安全で信頼できる飲食店で食べる
飲食店で鶏刺しを食べる際は、安全で信頼できるお店で食べましょう。
となると、どのようにして見分けるか?がポイントとなってきますね。
僕が考える見分けるポイントは次の5点です。
ポイント
- ネットの口コミ
- 実際に人から聞く口コミ
- 食中毒に対する意識の高さ
- お店の人に鶏刺しについて直接聞く
- 営業実績(何年鶏刺しを提供しているか)
ネットの口コミ
ネットの口コミはお店側が仕掛けている場合もあるので完全に信用はできませんが、衛生状態について悪い口コミが多ければ多いほど食中毒に関しても意識が低い可能性は高まるので見るポイントの一つとなると思います。
実際に人から聞く口コミ
ネットの口コミより実際に人から聞く口コミの方が信憑性は高まります。
お店の雰囲気など分からないこともその場で聞きやすいので良いですね。
食中毒に対する意識の高さ
お店側の食中毒に対する意識の高さもチェックしましょう。
- 店内の張り紙に鶏刺しを食べる際の注意点などがあるか?
- 食べる際に「早めにお召し上がりください」など説明があるか?
- 店内に清潔感があるか?
店員に鶏刺しについて直接聞く
お店の人に「この鶏刺しはどこで仕入れたんですか?」は聞きましょう。
「鹿児島県or宮崎県から生食用の鶏肉を仕入れてます」と答えが返ってくればいいですが、それ以外の回答だと要注意です。
営業実績(何年鶏刺しを提供しているか?)
鶏刺しを何年提供し続けているかがそのお店の安全度にも繋がっていると思います。
逆にオープンして間もないお店で鶏刺しを食べるのは十分注意した方が良いでしょう。
鹿児島県・宮崎県以外で食べるのは控える
『生食用の食鳥肉の衛生基準』は鹿児島県・宮崎県の独自の基準であって、他県にはありません。
従って、他県で流通している鶏肉は加熱用の生肉ということになります。
他県で鶏刺しを提供するとなると、鹿児島・宮崎から生食用の鶏肉をわざわざ取り寄せなければなりません。
「鶏肉を生で食べる」という文化が他県では無いので、食中毒に対する知識についても不安になりますよね。
鹿児島県・宮崎県以外での鶏刺しはなるべく避けた方が良いでしょう。
宮崎県内でも加熱用の鶏肉を鶏刺しとして提供し、食中毒を発生させた飲食店があるくらいです。
他県なら余計に危険です。
お取り寄せは、安全性について十分確認する
お取り寄せ商品については美味しさだけでなく、安全性についての表記も明確にされているかを確認しましょう。
ネットの商品でいくつか確認しましたが、味についてのアピールばかりしている商品もありました。
一方で、『吊り下げ式外剥ぎ方式』など食中毒を防止するための解体方法を採用している旨明記している商品もありました。
そういった商品は信頼度が上がりますね。
提供されたらすぐ食べる
鶏刺しは提供されたら早めに食べるようにしましょう。
よく飲み会で、話に夢中になってしばらく料理がテーブルの上で放置されることありますよね。
あまり室温で長く放置されると菌が繁殖して食中毒になる確率が上がるんです。
お店側がこのことを留意して保冷剤や氷をつけていたり、提供する際に説明してくれる場合もあります。
しかしそうでないお店もあると思いますので、早めに召し上がるようにしてください。
子供や妊婦、高齢者の方は食べるのを控える
子供や妊婦、高齢者の方は食べるのを控える・控えさせましょう。
鹿児島県・宮崎県の安全な生食用の鶏肉でも菌を完全に除去するのは難しいです。
そのため大人は大丈夫だったけど、免疫力の弱いお子さんや高齢者の方が食中毒になってしまうことがあります。
体調が万全でない時は食べない
大人でも体調が万全でない場合は免疫力が落ちていて食中毒にかかりやすいです。
僕が以前食中毒になった時はゴールデンウィーク終盤で遊び疲れていたのもありました。
そういう疲れている時や体がしんどい時は鶏刺しは控えた方が良いでしょう。
まとめ:『鶏刺し』についてよく理解した上で食べよう
まとめです。
鶏刺しとは?
- 『鶏刺し』とは一言で言うと鶏のお刺身
- スライスした生の鶏肉をニンニクや生姜、柚子胡椒などの薬味を醤油につけて食べる
- 鶏刺しは主に鹿児島県・宮崎県でよく食べられている郷土料理
鶏刺しの食中毒 カンピロバクター腸炎の症状
約5〜7日の潜伏期間後に以下の症状が現れる。
- 吐き気
- 嘔吐
- 下痢
- 腹痛
致死率は0.1%と意外と低く、自然治癒が十分期待できる疾患
みやネコは今まで生きてきた中での腹痛ランキングでも堂々1位のキツさだった
鶏肉の生食についての法律は?
- 鶏の生肉の提供を規制する法律はない
- 『鶏の生食は危険ですので食べないでください』というのが全国的な保健所の対応
- 鹿児島県と宮崎県のみ独自で生食用食鳥肉の衛生基準を設けている
なぜ鶏刺しの食中毒は起こる?
- 菌を完全に除去するのは難しい
- 提供する側の知識不足
鶏刺しによる食中毒を防ぐ方法
- 安全で信頼できる飲食店で食べる
- 鹿児島県・宮崎県以外で食べるのは控える
- お取り寄せは、安全性について十分確認する
- 提供されたらすぐ食べる
- 子供や高齢者は食べるのを控える
- 体調が万全でない時は食べない
鶏刺しは九州独特の甘い醤油にニンニクや柚子胡椒などの薬味をトッピングして楽しめるとても美味しい郷土料理なんですが、正しく理解していないと食中毒になる危険性があります。
飲食店側も食べる側も鶏刺しの食中毒については十分注意していきましょう。
以上、ありがとうございました!