最近お店でよく見かける『レアハンバーグ』
以前から気になっていたことがあります。
ずばり、食中毒問題です。
生肉の食中毒は危険度も高いイメージ。
ということでメッチャ調べました。
結論、食べてはダメ!
『O157』等による食中毒で死に至る恐れがあるんです。
こんな人に読んで欲しい
- レアハンバーグの危険性について知らない方
- 妊娠中の方
- 小さなお子さんがいる方
- ご高齢の方
レアハンバーグは食べて大丈夫なの?
ハンバーグはレアや生焼けの状態で食べちゃダメです!
冒頭で述べましたが『O157』等による食中毒を発症する恐れがあります。
特に下記の方は免疫力が成人と比較すると弱く、食中毒を発症しやすいです。
- 妊婦
- 子供
- 高齢者
絶対に食べるのをやめてください。
レアハンバーグによる食中毒の危険性
食中毒になる、と聞いても
なんて言う人絶対いますよね。
でもその行為の危険性を十分理解しましょう。
O157等の菌がもたらす食中毒『腸管出血性大腸菌感染症』という病気についてです。
腸管出血性大腸菌感染症とは?
難しい名前で覚えづらいですね。
どういった食中毒なのか特徴をまとめると
- O157・O111・O26の菌が排出するベロ毒素が原因。
- ベロ毒素の毒性はなんと青酸カリの5000倍。
- ベロ毒素は赤血球・血小板を壊し全身を巡る。
- 感染力は非常に強い。少量の菌で感染してしまう。
- 潜伏期間2~9日と長く、感染拡大しやすい。
- 最悪、急性脳症・腎不全を発症し死に至ることも。
ベロ毒素の毒性が青酸カリの5000倍というのには驚きました。
少量の菌でも感染してしまうほどの感染力・・・
非常に恐ろしいです。
そしてこの病気の発端となる菌(O157・O111・O26)は生の牛肉に含まれています。
これらの菌は75℃以上で1分加熱すれば死滅しますが、レアハンバーグはどうでしょう?
外表面は75℃以上で加熱されていると思いますが、中心部においては断言できませんよね。
お店で提供されたレアハンバーグをそのまま食べるのはなかなかリスキーな行為です。
実例『焼肉酒屋えびす』牛ユッケでの集団食中毒事件
どれだけ危険なのか?
もっとイメージを膨らませるために実際に起こった牛生肉の食中毒事件を参考に説明します。
焼肉居酒屋えびすの食中毒事件概要
- 発生年:2011年
- 発生店舗:北陸3県と神奈川県の焼肉チェーン店
- 感染者:181人
- 死者:5人(6歳男児2名、14歳男児1名、43歳女性1名、70歳女性1名)
- 感染元:牛ユッケ
この事件は『ザ!世界仰天ニュース』にも取り上げられました。
亡くなった14歳男児の話がドラマ化されております。
誕生日会ということで家族で訪れた焼肉屋さんで食中毒…
その家族で亡くなったのは誕生日を迎えた男児のみ。
親にとっては悔いても悔いきれない悲惨な事件です。
悼まれない気持ちでいっぱいの回でした。
そして一連の食中毒事件で亡くなった5人の内、3人が子供、1人が高齢者。
冒頭でも述べましたが、やはり子供・高齢者・妊婦は免疫力が成人と比較すると弱く、食中毒に感染した際に重症化しやすいです。
このお話は『ザ!世界仰天ニュース』の公式サイトで詳細が見れます。
リンク貼っとくので、一度見てみてください。
特に子供を持つ親には絶対見てほしい…
少し気持ちが入って脱線しましたが、この食中毒の原因について簡潔にまとめると
原因
- 牛肉の生食で必要なトリミング作業をしていなかった。
- 生食用の牛肉を使用していなかった。
- 当時、そもそも日本国内に生食用の牛肉は流通していなかった。
なーんかめちゃくちゃですね・・・
この事件から生食用の肉の規制が厳しくなりました。
そして牛ユッケは無くなった・・・
この事件を通しての個人的な感想。
大人が食べるのは自己責任!
でも身近な子供や妊婦、高齢者にレアハンバーグを勧めるのは絶対にやめて欲しい。
焼肉屋さんで口酸っぱく
「お肉はよく焼いて!」
みたいなことを言う友達や家族(お母さん)いると思いますがちゃんと言うこと聞きましょう。
生食用牛肉の法律改正について
焼肉酒屋えびすの集団食中毒事件をきっかけに生食用の肉の規制はかなり厳しくなりました。
生食用の牛肉(内臓を除く)には、法律に基づき、「規格基準」と「表示基準」が定められています。
「規格基準」では、牛肉の塊(ブロック状の肉)の表面から 1 cm以上の深さまで 60 ℃で2分間以上加熱殺菌をして表面を切り取る、といった加工・調理の基準や、腸内細菌科菌群(腸管出血性大腸菌、サルモネラなど)が陰性であること、などの成分規格が定められています。
「表示基準」では、生食用である旨、と畜場の名称及び所在する都道府県名(輸入品にあっては原産国名)、生食用食肉の加工を行った施設の名称・所在地などを表示することが定められています。
生食用として加工された食肉であっても、腸管出血性大腸菌などの食中毒菌を完全になくすことはできないので、食中毒のリスクは「0(ゼロ)」ではありません。そのため、「表示基準」では、1.一般的に食肉の生食は食中毒のリスクがある旨、2.子供、高齢者その他食中毒に対する抵抗力の弱い方は食肉の生食を控えるべきである旨、の表示が義務付けられています。これは、生食用の牛肉をメニューとして提供する飲食店でも店内に表示しなければなりません。
引用元:東京都食品安全FAQ
ざっくりまとめると
- 加熱処理をしている。
- 生産者を明確に表記。
- 『子供や高齢者など抵抗力が弱い人は控えてね』と表記。
規格基準を見てみるとトリミングの記載がありませんね。
トリミングは下記の理由で規格に盛り込まなかったそうです。
① 牛のとさつ・解体後、熟成が進むにつれ、腸管出血性大腸菌がより深部に浸潤すること
② 菌体の生肉への接種から1時間後、肉塊の表面から1cm の部分から菌体が検出されたこと
③ 肉塊表面の 0.5 から1cm 以上の部分までを 60℃で2分間加熱することにより、菌数を1万分の1以下に低減することが期待できること
2 また、従来の衛生基準通知に示されていたトリミング処理は、肉塊表面が菌に汚染されていた場合に、菌の汚染を拡散させる可能性が指摘されています。
3 これらの知見を踏まえ、生食用食肉(牛肉)の安全性を確保するためには、従来のトリミング処理は適当ではなく、枝肉から切り出された肉塊の表面が病原微生物により汚染された場合に、肉塊内部への病原微生物の浸潤を防止するため、切り出された肉塊を、速やかに加熱殺菌することとしたものです。
引用元:厚生労働省
こちらも要約すると
- 菌は肉の深部に染み込む(肉塊表面から1cmの部分まで検出された)
- トリミングだと菌が拡散する恐れある
元々トリミングという方法自体も菌を拡散させる恐れがあると懸念されていたみたいですね。
少量の菌でも感染する恐れのある食中毒だから加熱処理がベストという結論かな?
現在レアハンバーグを提供しているお店は大丈夫なの?
それでは本題です。
現在のお店で提供されている『レアハンバーグ』の安全性について。
実際に某有名チェーン店に確認してみました。
すると驚きの結果が!(悪い意味で)
某有名チェーン店お問い合わせ結果
- 『中身がレアで提供、卓上で客好みで焼くハンバーグ』に使っているひき肉は加熱用の牛肉。
- 加熱用の牛肉をトリミング処理をして使用している。
- 加熱については規定の温度・時間で管理。
僕はレアでハンバーグを出すくらいだからてっきり生食用のお肉をひき肉にして提供しているもんだと思ってました。
ここにきてまさかの加熱用の牛肉・・・
トリミング処理をしているとのことでしたが、先ほどの厚生労働省の文献で
トリミング処理は、肉塊表面が菌に汚染されていた場合に、菌の汚染を拡散させる可能性が指摘されています。
と記述がありましたね。
どんどん不安になっていく・・・
焼き方については何かしら検証して安全性については裏付けているのかな?・・・
そこに根拠があったとしても、食中毒の安全性を理解していないバイトの子や従業員が
ってなってたら・・・
聞けば聞くほど不安になりました。
せっかくなので、食中毒についてここまで調べてきたありのたけをそのままぶつけた後、思い切って聞きました
「ならちゃんと焼いてもってこい!」
と思いました。(言ってはないです)
ステーキなら問題ありませんが、レアハンバーグでそれだと・・・
食べるのが怖い!
でも一番怖かったのは
「全てとは言えませんが、他のお店もレアハンバーグに生食用の肉は使ってないと思いますよ」
と言われたこと。
こっわ!
ということで、レアハンバーグはちゃんと焼いて食べてください!
特に
- こども
- 妊婦
- 高齢者
は絶対食べないでください!
なぜレアハンバーグに生食用の牛肉を使っていないのか?
全てのお店ではありませんが、某有名チェーン店では加熱用のお肉で提供しているということでした。
そして
「他のお店でも加熱用を使っている」
と『赤信号みんなで渡れば怖くない』的なことを言われたので法的な観点から調べました。
結果、今の法律にはレアハンバーグでの生食用肉の使用を強制させるほどの効力はありませんでした。
あれだけの食中毒事件があってどうして・・・?
理由は2つです。
1つ目はレアハンバーグが一応、焼けるシステムになっているから。
メニューにも『よく焼いてお食べください』という表記がされていると思います。
『好みの焼き加減で焼くレアハンバーグ=焼肉』と一緒なんです。
もしレアハンバーグで生食用肉の使用を強制させるのであれば、焼肉のお肉も全て生食用の肉にしなければなりません。
2つ目はコストの問題。
加熱用の方が安く仕入れられるのでお店側も商売が成り立ちます。
全て生食用の肉で作るとなるとコストがかかりすぎて商売になりません。
こういった大人の事情もあって規制できないのが現状です。
結論 レアハンバーグで食中毒が起こる可能性は十分だった!
ここまで調べるとどんどん悪い想像が膨らみます。
最悪のケースを考えた場合の構図として
肉塊表面が汚染された加熱用肉をトリミング(この時点でトリミングを忘れる可能性も)
↓
菌が拡散し、肉塊が汚染
↓
その肉をそのままひき肉へ
↓
ハンバーグ調理で店員(バイト)が横着して加熱時間を短縮
↓
レアのままお子さん・妊婦・高齢者が食べる
↓
食中毒が発生
↓
お店の言い分
- お店側はレアハンバーグを焼けるシステムで提供している。(焼肉と一緒)
- 焼かずに食べた客が悪い。焼肉を生で食べた人が悪いのと一緒。
- メニューに『よく焼いて食べてください』と注意書きもしている。
- だからお店は悪くない
↓
被害者泣き寝入り!?
『客の責任で食べてね』って感じです。
おそらく最悪の事件が起こらない限り、この状況はなかなか変わらないでしょう。
ホントに法律の抜け道をうまいことすり抜けて、今のレアハンバーグがあるといった印象を受けました。
正しい知識で美味しいハンバーグを食べよう
散々言いましたがレアハンバーグは絶対に食べないようにしましょう!
特に
- こども
- 妊婦
- 高齢者
食べない、食べさせないを徹底させましょう。
特に『食べさせない』こと。
食べるのは自己責任ですが、人に食べさせて食中毒が起こってしまったら責任取れません。
卓上で焼くスタイルであれば加熱してから食べましょう。
お店側の「大丈夫」という言葉を信じてもいけません。
それは「ほぼ大丈夫」です。
100%安全とは言えません。
焼肉居酒屋えびすのような事件が二度と起こらないように願っています。